働き方改革の壁!中小企業の残業上限規制と人手不足対策のコツ

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この記事を書いた人
大野輝雄

大野輝雄社会保険労務士事務所 代表
株式会社アクションパートナーズ 代表取締役

社会保険労務士
一般社団法人 日本キャッシュフローコーチ協会 認定キャッシュフローコーチ
一般社団法人 採用定着支援協会 認定採用定着士
銀座コーチングスクール(GCS)認定プロフェッショナルコーチ

関西学院大学卒業、2007年に社会保険労務士として独立。大阪市内を中心に人事・労務についてのサポートやセミナー業務を行っている。同株式会社ならびに社労士事務所にて支援した企業は100社以上。大阪商工会議所、神戸商工会議所、堺商工会議所、高槻商工会議所等にてセミナー実績90回以上。

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働き方改革関連法が本格的に始まってから、早いもので5年が経過しようとしています。経営者の皆様、日々の事業運営において労働時間の管理で苦労されていることはありませんか。

東京商工会議所が発表した最新の調査結果によると、時間外労働の上限規制に対して事業運営に支障が出ていると感じている企業は、全体では約2割でした。しかし、業種別に見ると宿泊・飲食業や運輸業、建設業では半数以上の企業が深刻な影響を受けている実態が明らかになりました。

特に、繁忙期がある業種にとって残業時間を年間で一定以内に収めるというルールは、非常に高いハードルとなっています。そこで今回は、中小企業の残業上限規制と人手不足対策として、法律を遵守しつつ円滑に事業を継続するための3つの視点を解説します。

調査から見えた!経営者を悩ませる働き方改革の壁

今回の調査では、多くの経営者様が全社的な人手不足を理由に、規制への対応が難しいと回答しています。

特に厳しいのは年間の残業枠の管理

多くの企業がもっとも対応に苦慮しているのが、月45時間を超えられる回数が年6カ月までという制限です。繁閑の差が激しい業種では、特定の時期に仕事が集中するため、どうしても特定の社員に負担が偏ってしまいます。

こうした状況の中で、国への要望としては上限を維持しつつ運用の見直しを求める声が約4割に達しました。現場の実態に合わせた柔軟なルールを求める切実な願いが読み取れますが、現時点では中小企業の残業上限規制と人手不足対策を自社で進めていく必要があります。

厳しい規制の中でも会社を守るための3つの具体策

法律の枠組みが変わるのを待つだけでは、現場の負担は減りません。今あるリソースの中で、いかに工夫していくかが鍵となります。

1. 業務の見えると平準化を徹底する

まずは、誰が、いつ、何の作業に、どれだけの時間を使っているのかを正確に把握することから始めましょう。

特定の社員にだけ仕事が集中している場合、その業務を他の社員でも対応できるよう、マニュアル化や多能工化を進めることが有効です。忙しさに偏りがなくなるだけで、組織全体の残業時間を平均的に抑えることができます。これは中小企業の残業上限規制と人手不足対策を両立させる上で、非常に効果的です。

2. ICTツールの活用で管理コストを削減する

手書きの出勤簿や表計算ソフトでの管理には限界があります。

・リアルタイムの把握:残業時間が上限に近づいた際に自動でアラートが出る勤怠システムを導入しましょう。

・事務作業の自動化:給与計算や受発注をシステム化することで、本来の業務以外に割く時間を削ります。

・コミュニケーションの効率化:チャットツールなどを活用し、報告や連絡にかかる無駄な待ち時間を短縮します。

3. 社員との対話を通じて多様な働き方を認める

働き方改革は、単に時間を短くすることだけが目的ではありません。

社員の中には、もっと働いて稼ぎたいという人もいれば、短時間で効率よく帰りたいという人もいます。それぞれの意向を確認しながら、副業を認めることや、柔軟なシフト制を導入することを検討してみてください。本人の意思に基づいた働き方を尊重することで、限られた時間内での生産性向上や、離職防止に繋がります。

まとめ:中小企業の残業上限規制と人手不足対策で強い組織へ

今回の調査結果が示す通り、業種によっては上限規制への対応は非常に厳しい状況にあります。しかし、人手不足が解消されない今の時代、時間を際限なく使って事業を回すモデルは限界を迎えています。

中小企業の残業上限規制と人手不足対策に今のうちから取り組み、効率的な運営体制を整えることが、結果として会社を最も安全に守ることになります。

当事務所では、上限規制への対応に向けた就業規則の整備や、無理のない労働時間管理の仕組み作りをサポートしています。今の体制に不安を感じている経営者様は、ぜひお気軽に私たちへご相談ください。貴社の業種特性や現場の実情に寄り添い、共に最適な解決策を見つけ出すお手伝いをいたします。

 

参考資料:

東京商工会議所「働き方改革関連法への対応状況に関する調査結果」(2025年12月10日)

 

 

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