年末が近づくと、ニュースで大手企業の冬のボーナス妥結額という話題をよく耳にするようになります。今年の数字を見て、「うちはこんなに出せないよ」とため息をついてしまった経営者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
経団連が発表した最新の集計結果によると、大手企業の2025年年末賞与・一時金の平均額は、なんと100万円を超えました。これほど大きな金額が動いているのを知ると、社員への還元についてどう考えるべきか、悩んでしまうのも無理はありません。
しかし、中小企業には中小企業なりの賢い還元方法があります。そこで今回は、中小企業が導入したい利益連動型賞与のメリットを中心に、会社を守りながら社員のやる気を引き出すための3つのポイントと導入のコツをお伝えします。
大手企業の冬のボーナス事情と中小企業の現実
まずは、世の中の相場観を知るために、経団連が発表したデータを簡単に見てみましょう。
1. 業績好調な業界が牽引する大幅アップ
今回発表された調査結果には、景気の回復を感じさせる力強い数字が並んでいます。
大手企業の総平均での妥結額は約100万5千円となり、昨年に比べて8%以上も増加しました。特に製造業の伸びが著しく、平均で105万円を超えています。これは物価高への対応や、人手不足の中で優秀な人材を確保したいという企業の強い意志の表れです。しかし、資金力に限りがある中小企業が、無理をしてこの数字を追う必要はありません。
会社と社員を守る!利益連動型賞与の3つのメリット
無理のない経営を続けながら、社員にしっかりと報いるために有効なのが「利益連動型賞与」です。この仕組みには、経営者にも社員にも嬉しい利点があります。
1. 人件費を変動費化して会社を守れる
最大のメリットは、会社の財務体質を強化できる点です。
固定給を一度上げてしまうと下げるのは困難ですが、賞与を業績連動にすることで、利益が出たときは多く払い、厳しいときは抑えるという調整が可能になります。これにより、赤字なのに無理してボーナスを借金して払うといった事態を防ぐことができます。会社が潰れてしまっては元も子もありませんから、雇用の安定を守るためにも非常に合理的な方法です。
2. 公平なルールで社員の納得感が高まる
「社長の気分で額が決まっているのではないか」という疑念は、社員の不満の種になります。
・ルールの明確化:「経常利益の〇%を賞与原資にする」と決めておくことで、金額の根拠がはっきりします。
・情報の共有:会社の数字をオープンにすることで、社員が経営に参加している意識を持てるようになります。
・信頼の構築:約束通りに支払うことで、会社と社員の間に強い信頼関係が生まれます。
透明性の高いルールは、職場の風通しを良くする効果もあります。
3. 「頑張れば増える」がモチベーションになる
自分の頑張りが会社の利益になり、それがダイレクトに自分に返ってくることが分かれば、社員の意識は変わります。
単に言われたことをやるだけでなく、「どうすればもっと利益が出るか」「無駄なコストはないか」を自ら考えるようになります。全員で目標を追いかける一体感が生まれ、結果として業績アップにつながる好循環を作ることができます。これこそが、利益連動型賞与がもたらす最大の効果です。
まとめ:自社に合った仕組みで強い組織を作ろう
中小企業が導入したい利益連動型賞与のメリットでお伝えした通り、この仕組みは会社を守りつつ、社員の意欲を最大限に引き出すことができます。大手企業のような巨額のボーナスは出せなくても、透明性のある還元ルールを作ることで、社員は安心して長く働いてくれるはずです。
他社と比較せず、自社の体力に合った賞与の在り方を考えてみませんか。
当事務所では、貴社の財務状況に合わせた賞与原資の算出ルールの策定や、社員への説明会サポートを行っています。導入してみたいけれど、計算式や規定の作り方が分からないという経営者様は、ぜひ私たちにご相談ください。社長も社員も笑顔になれる最適な仕組みを共に作り上げ、全力でサポートいたします。
参考資料:一般社団法人 日本経済団体連合会「2025年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結結果(加重平均)」(2024年12月24日発表)






