大野輝雄です。
(株式会社アクションパートナーズ、採用定着士、社会保険労務士)
「“生産性アップ”とは、どういうことかよくわからない」
「業務効率化との違いは?」
などとお悩みの大阪・兵庫の中小企業経営者さまに向けて、今回は生産性についての基礎知識をご紹介します。
生産性アップと業務効率化は混合されがちですが異なります。生産性の本質をとらえることで生産性アップの取り組みにつながるため、今回は「生産性とは」、そして「生産性アップと業務効率化の違い」を解説します。
生産性は企業の長期存続にも関わりますので、「長く事業を続けたい」と考える大阪・兵庫の中小企業経営者さま、ぜひ参考にしてください。
■生産性とは?
まずは生産性の概念についてご紹介します。
1.生産性とは
何かを生産するとき、それが有形であっても無形であっても、原材料やエネルギー・労働力・時間など何らかの投入が必要になります。そして、その成果が生産量や付加価値・売上額などとして表されます。
生産性とは、投入(インプット)に対してどれくらいの成果(アウトプット)があったかを示すものです。
【成果(アウトプット)÷投入量(インプット)】で算出することができます。
2.生産性が「良い」「悪い」とは
例えば最先端の機械を導入したとして、それをうまく使用できずに結局利用しない、となったとすると、投入量(インプット)に対して成果(アウトプット)が低いということになります。つまり、この場合は生産性が「悪い」と言えるでしょう。
一方、上記の計算式で算出したときの数値が大きい際に、生産性が「良い」と言えます。
3.生産性の種類
生産性の種類は、下記のように分けられます
・労働生産性
投入した労働量に対してどれくらいの成果が得られたのかを表します。労働による成果とは、生産物の個数や重量を成果物として考える「物的労働生産性」のケースと、付加価値(粗利)を生み出していると考える「付加価値労働生産性」のケースに分けられます。
【労働による成果÷(労働者数or総労働時間)】
・人時(にんじ)生産性
人時生産性とは、従業員1人が1時間に生み出した成果を示したものです。ワークライフバランスが重視されている近年、時間効率を意識した人時生産性の概念が注目されています。
【成果÷従業員の労働時間】
・資本生産性
資本(機械設備・土地など)に対して生み出した成果のことを指します。保有している資本1単位あたり、どれくらいの利益を生んでいるのかを可視化できます。
【(生産量or生産額)÷有形固定資産】
・全要素生産性(TFP)
労働や資産など投入したすべてに対する成果を示した指標のことです。しかし、投入する要素をすべて数値化することは難しいため、「変化率」を計算することが一般的です。
【生産性全体の変化率-労働変化率-資本変化率】
■生産性アップと業務効率化との違いとは?
生産性アップと業務効率化は混合されがちですが、違いがあるため要注意です。ここでは業務効率化との違いについてご紹介します。
1.業務効率化とは?
業務効率化とは、業務上の「ムリ・ムダ・ムラ」を省くことです。
・「ムリ」とは…
「残業をしないと終わらない」などといった、従業員に対して業務量や業務スキルが見合っていないことを指します。
・「ムダ」とは…
能力に対して業務が下回っていることを指します。人件費や時間に無駄が生じている状態です。
・「ムラ」とは…
ムリとムダを行き来しているイメージで「良いときもあれば悪いときもある」といった不安定な状態を指します。
2.業務効率化のメリット
「業務効率化のメリットはコスト削減」と考えられることもありますが、それ以外にも結果として時間や人材を有意義に活用できるようになることもメリットです。
従業員一人ひとりがコア業務に注力できるようになったり、短い時間でこれまでと同量の業務ができるようになることから従業員のエンゲージメントが高まったりするなど、あらゆるメリットが期待できるでしょう。
3.生産性アップと業務効率化との違い
業務効率化は投入量(インプット)の最小化を図ることを指しますが、生産性アップは投入量(インプット)の最小化と共に成果(アウトプット)の最大化を目指します。
つまり、生産性アップのための施策を細分化して考えたときに、投入量を最小化する手段のひとつが業務効率化だと言えます。
■生産性アップが必要な理由
生産性アップを実現できれば、現状の課題や悩みがクリアになったり企業価値が高まることで人材流入や新規取引アップなども期待できたりします。生産性アップは、中小企業が長期的に持続できるかどうかに関わってくる重要な取り組みだと言えるでしょう。
生産性アップの具体的取り組みについては、また別の記事でご紹介いたしますが、ひとつの方法として「アウトソーシング」があります。自社で行っている業務を外部委託する、という方法です。
当社でも、社会保険手続きや給与計算代行・人事評価策定サポートなどあらゆる委託を請けおっています。社内の労働量(インプット)を最小限にしながら、プロ目線で行うことで成果(アウトプット)を最大化するため、生産性アップを目指すことができると言えるでしょう。ご興味ありましたら、お気軽にお問い合わせください。
参考になれば幸いです。
またこのような情報をお届けいたします。