物価上昇に負けない中小企業の賃金引き上げと価格転嫁の進め方

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大野輝雄

大野輝雄社会保険労務士事務所 代表
株式会社アクションパートナーズ 代表取締役

社会保険労務士
一般社団法人 日本キャッシュフローコーチ協会 認定キャッシュフローコーチ
一般社団法人 採用定着支援協会 認定採用定着士
銀座コーチングスクール(GCS)認定プロフェッショナルコーチ

関西学院大学卒業、2007年に社会保険労務士として独立。大阪市内を中心に人事・労務についてのサポートやセミナー業務を行っている。同株式会社ならびに社労士事務所にて支援した企業は100社以上。大阪商工会議所、神戸商工会議所、堺商工会議所、高槻商工会議所等にてセミナー実績90回以上。

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最近、ニュースで「春闘」や「賃上げ」という言葉を見ない日はありませんね。今年も、働く人たちの代表である労働組合から、非常に力強い要求が発表されました。

化学やエネルギー関連の会社が集まる大きな労働組合(JEC連合)が、2026年の交渉に向けて「6%以上の賃上げ」を目指すという方針を決定しました。これを聞いて、そんなに高い昇給は難しいと不安になる経営者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

大手の動きは、めぐりめぐって中小企業の採用や定着にも大きな影響を与えます。そこで今回は、物価上昇に負けない中小企業の賃金引き上げと価格転嫁の進め方について、大切な3つのポイントを分かりやすく解説します。

労働組合が掲げる「6%以上」という目標の正体

今回の発表で注目すべきは、単に「給料を上げてほしい」と言っているだけではない点です。

1. 6%以上の引き上げ要求が意味すること

労働組合が求めているのは、毎年の定期昇給に加えて、基本給そのものを底上げする「ベースアップ」を組み合わせた形です。定期昇給で約2%、さらにベースアップで4%以上、合わせて6%以上という非常に高い水準を求めています。

これには、上がり続ける物価に負けない生活を支えることや、業界全体の社会的責任を果たすといった強い思いが込められています。また、格差をなくすためにさらに高い7%以上の引き上げを求める声も上がっているのが現状です。

物価上昇に負けない中小企業の賃金引き上げと価格転嫁の進め方|3つの策

大手と同じように、いきなり大幅な引き上げを行うのは現実的ではないかもしれません。それでも、社員に「この会社で頑張ろう」と思ってもらうためにできる、具体的な対策を3つまとめました。

1. サービスや商品の価格を適正に見直す

お給料を上げるための「お金」をどこから持ってくるか、まずはここが最大の課題です。

原材料や光熱費が上がっている今こそ、取引先に対して誠実に価格交渉を行いましょう。人件費が増えることを理由に、商品やサービスの価格を適正に引き上げることは、持続可能な経営のために必要不可欠なステップと言えます。自分たちの技術やサービスの価値を正しく認めてもらい、利益を確保することが賃上げへの第一歩になります。

2. ITツールの活用などで生産性を高める

少ない人数で効率よく利益を出せる仕組みを整えることも重要です。

・手書きの書類をパソコン入力に変えて事務時間を削減する。

・会議の回数を減らして、現場で作業できる時間を増やす。

・簡単な管理ソフトを導入して、在庫やスケジュールの無駄をなくす。

このように、身近なところから無駄を省くことで、社員一人ひとりが生み出す価値を高めることができます。生み出した余裕をお給料として還元する良い循環を目指してみてください。

3. お給料以外の「働きやすさ」もセットで整える

もし今すぐ大幅な昇給が難しい場合は、お給料以外の魅力を磨いてみるのも良い方法です。

例えば、有給休暇を1時間単位で取れるようにしたり、資格取得を応援したりすることも喜ばれます。会社が自分たちの生活や成長を大切に考えてくれていると伝われば、社員の満足度はぐっと高まります。賃上げへの努力を続けつつ、こうした温かい環境作りを並行して進めることが、今の時代には求められています。

まとめ:物価上昇に負けない中小企業の賃金引き上げと価格転嫁の進め方で未来を作る

今回の労働組合による発表は、人手不足の時代において「人への投資」が避けられないことを示しています。賃上げは一筋縄ではいきませんが、価格交渉や効率化、そして働き方の工夫を組み合わせることで、必ず道は開けます。

社員と共に成長できる、明るい未来を一緒に作っていきませんか。

当事務所では、経営状況に合わせた無理のない賃金テーブルの作成や、就業規則の見直しをサポートしています。お給料を上げるための価格交渉のアドバイスや、働き方改革に活用できる支援策の紹介も積極的に行っています。人手不足を解消し、強い組織を作りたいとお考えの経営者様は、ぜひ私たちにご相談ください。貴社の現状を丁寧に伺い、一番良い解決策を共に考え、全力でバックアップいたします。

参考資料:独立行政法人労働政策研究・研修機構「定昇相当分含め6%以上の賃上げを/JEC連合闘争方針」(2026年1月23日発表)

 

 

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