「仕事にモチベーションがある人」は3割。給与だけでは測れない「働きがい」のつくり方

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大野輝雄

大野輝雄社会保険労務士事務所 代表
株式会社アクションパートナーズ 代表取締役

社会保険労務士
一般社団法人 日本キャッシュフローコーチ協会 認定キャッシュフローコーチ
一般社団法人 採用定着支援協会 認定採用定着士
銀座コーチングスクール(GCS)認定プロフェッショナルコーチ

関西学院大学卒業、2007年に社会保険労務士として独立。大阪市内を中心に人事・労務についてのサポートやセミナー業務を行っている。同株式会社ならびに社労士事務所にて支援した企業は100社以上。大阪商工会議所、神戸商工会議所、堺商工会議所、高槻商工会議所等にてセミナー実績90回以上。

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「最近の若者は、仕事に何を求めているのか分からない…」。

そう感じている経営者や管理職の方もいるかもしれません。

個人の価値観が多様化する現代において、社員のモチベーションをどう引き出すか、頭を悩ませる経営課題の一つとなっています。

今回は、MENTAGRAPH株式会社が全国の20歳~65歳のビジネスパーソン500名を対象に実施した『世代別 仕事のモチベーションについての調査』を参考にしながら、「仕事のモチベーション」について考えていきます。

調査結果からは、冒頭の悩みに対する重要なヒントが見えてきます。

参考:メンタルマネジメントに関する調査結果

モチベーションは「給与」でしか上がらない?

 この調査によると、現在の仕事にモチベーションがある人は、全体のわずか3割にとどまっています。

引用:MENTAGRAPH株式会社 世代別「仕事に対するモチベーション」についての調査

そして、モチベーション向上の要因として、すべての世代で最も多く挙げられたのが「給与」でした。

引用:MENTAGRAPH株式会社 世代別「仕事に対するモチベーション」についての調査

この結果だけを見ると、「結局、給料を上げないと社員は頑張らないのか…」と諦めてしまうかもしれません。

しかし、これは表面的な事実です。

注目すべきは、「モチベーションがある人とない人の違い」です。

  • モチベーションがある人: 「仕事のやりがい」といった内的な価値をモチベーションの源泉にしている。
  • モチベーションがない人: 「給与」をモチベーションの主な要因として挙げる割合が高い。

このことから、給与は社員が働く上で欠かせないものですが、社員の心を満たし、真のモチベーションを引き出すのは「やりがい」や「貢献感」といった、非金銭的な価値であることがわかります。

Z世代は「理想追求型」と「割り切り型」に二極化

さらに興味深いのは、Z世代(20~25歳)の仕事選びのスタンスです。

彼らは「やりたい仕事内容でないとやりたくない」という理想追求型と、「給与さえもらえればよい」という割り切り型に、価値観が二極化する傾向が見られました。

これは、彼らが育った環境が影響していると考えられます。

情報が豊かで多様な価値観に触れてきた彼らは、仕事に対して「自分の興味・関心」を強く求める一方で、現実的な側面として「給与」を割り切って考える傾向があるのでしょう。

一方、26歳以降の世代では「やりがいを感じられればよい」が最多となり、仕事へのスタンスがより現実的になっていく様子が窺えます。

「内的な価値」を生み出す会社のつくり方

では、社員のモチベーションを上げ、「働きがい」のある会社をつくるにはどうすればよいのでしょうか。

1. 「何のために働くのか」を共有する

給与を支払うだけでなく、会社のビジョンや事業が社会にどのような価値を提供しているのかを共有します。社員は、自分の仕事が誰かの役に立っているのを実感することで、やりがいを感じられます。

2. 成長を支援する仕組みをつくる

「この会社にいれば成長できる」という期待感は、社員のモチベーションを大きく引き上げます。教育研修制度やキャリアパスの明確化など、社員の成長を後押しする仕組みを整えましょう。

3. 正当な評価とフィードバック

社員の頑張りを正当に評価し、定期的に言葉や態度等で伝えることが、本人の自己肯定感を高め、モチベーション維持に不可欠です。

給与の先にある「働きがい」をデザインする

今回の調査は、給与が社員のモチベーションを維持する「土台」であり、その上に「やりがい」や「貢献感」といった「働きがい」を築いていく必要があることを示しています。

あなたの会社の社員は、給与の先にある「働きがい」を感じているでしょうか?

私たちは、賃金制度や評価制度の見直しを通して、社員のモチベーションを根本から引き出すお手伝いをしています。

「給与だけでは満足してくれない」という悩みを、「働きがいのある会社だ」という社員の誇りに変えませんか?

 

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