大野輝雄です。
(株式会社アクションパートナーズ、採用定着士、社会保険労務士)
「部下が思いどおりに動いてくれない」
「なぜか社員がすぐに退職してしまい、つねに人材が足りない」
などとお悩みではありませんか。
その原因は、コミュニケーションギャップにあるのかもしれません。
コミュニケーションギャップがあると互いに不満がつのり、やがては社員が退職してしまう事態へとつながるのです。
この記事では、コミュニケーションギャップがおこる原因と、なくす対策について紹介します。
コミュニケーションギャップ(communication gap)とは
コミュニケーションギャップとは、意思の疎通がうまくいかないために、情報が適切に伝わらないことをいいます。
社長や上司が、社員や部下に対して感じることもありますし、社員や部下が上の者に対して感じることもあるでしょう。
「あの社員は、私の話をまったく聞いていないようだ」
「前もいったのに、一向に改善されない」
「社長に怒られたけど、意味がわからない」
「上司が飲みに誘ってくるけど、正直行きたくない」
情報がうまく伝わらないと社員がうまく機能せず、会社全体のパフォーマンスが下がります。
では、なぜコミュニケーションギャップはおこるのでしょうか。
コミュニケーションギャップがおこる原因
ここからは、コミュニケーションギャップがおこる原因を紹介します。
- 上司と部下など立場の違い
- 世代間格差によるジェネレーションギャップ
- 情報格差や知識格差
- 情報の共有がうまくできていない
- 国や言語、文化の違い
それぞれ説明していきましょう。
上司と部下など立場の違い
上司や部下などの立場が違うことで、コミュニケーションギャップはおこります。
会社での立場によって、業務の内容や考えなければならないことは当然違うもの。
そのため認識に乖離がおこるのも自然なことです。
社長と新入社員では、やるべきことも考えることもまったく違いますから。
立場が違うことでおこるコミュニケーションギャップは、コミュニケーション不足によってどんどん大きくなります。
しかし適切にコミュニケーションをとることで、コミュニケーションギャップを埋められる可能性もあるのです。
世代間によるジェネレーションギャップ
世代間のジェネレーションギャップによって、コミュニケーションギャップは生まれがちです。
野球が大好きな上司が、仕事の休憩時間に部下と野球の話で盛り上がろうと話しかけたとします。
野球にまったく興味のないいまどきの若手社員は、どのように返事をすればいいのかすらわかりません。
この2人の間には、完全にジェネレーションギャップがあります。
またカラオケで選ぶ曲がまったく違って盛り上がらないなど、さまざまなシーンでジェネレーションギャップはおこるものです。
仕事においても、上司が当然だと思っている事がらが、若手の社員にとってはまったく興味関心がない可能性もあります。
情報格差や知識格差
情報の格差や知識の格差が、コミュニケーションギャップを起こすこともあります。
年齢や性別には関係なく、テレビをまったく見ない人とテレビばかりを見る人では、もっている情報に格差があるでしょう。
仕事のシーンでも、専門用語を連発すると、その言葉すら知らない相手には本来の主旨がまったく伝わりません。
また自分が知っていることは相手も知っていると思いがちですが、本当に相手も知っているとは限らないのです。
情報の共有がうまくできていない
互いの情報をうまく共有できていないと、コミュニケーションギャップが起こりがちです。
とくに、今は多くのシーンでオンラインによって情報のやりとりがなされます。
メールやチャットなどでは、伝わりにくい情報はわかりやすく相手に伝える必要があるのです。
しかし情報がうまく伝わらないことで、コミュニケーションギャップはおこります。
オンライン上でのテキストにおけるやりとりで、齟齬が生じやすいケースは以下のとおりです。
- メールの要件がよくわからない
- 主語がない
- 知識がある人にしか伝わらない専門用語
- 主語と述語があいまい
- 誤字が多い
メッセージを送信する前には、相手にうまく伝わるのかを、今一度確認するといいでしょう。
年齢層が高い上司は「電話で話したほうが早いし正確」と思いがちですが、スマホを使いこなす若い層は、メールやチャットでやりとりをしたほうが記録にも残るし効率的だと考えます。
国や言語、文化の違い
近年は、外国人を雇用したり海外との取引をしたりする会社も多いでしょう。
国が違う人同士では、よりコミュニケーションギャップはおこります。
言語も文化も違うので、ギャップが生まれるのは仕方のないことです。
とくに宗教的な習慣や考え方などは、繊細な部分もありますので、相手を尊重して寄り添うことが大切でしょう。
コミュニケーションギャップによっておこる問題
ここからは、コミュニケーションギャップによっておこる問題を紹介します。
社員が長続きせず離職率が高くなる
コミュニケーションギャップがおこると、社員は仕事がうまくできず、自信をなくし、やがては退職を希望するようになります。
コミュニケーションギャップによって、自分の存在が認められていないと感じたり、いくらがんばっても評価されないと感じてしまったりするからです。
社長や上司と若手社員のコミュニケーションがうまくとれていれば、社員は「ずっとこの会社で働きたい」「がんばりが認められている」と感じられて長く働いてくれるでしょう。
また、ふだんからコミュニケーションがうまくとれていれば、たとえ何か問題が起きたとしても、それほど大ごとにならずに解決できます。
会社や組織、仕事のパフォーマンスが上がらない
コミュニケーションギャップがあると、社員それぞれがやる気を出せません。
そのため会社や組織全体のパフォーマンスも上がらないものです。
お互いがどうせ「相手に伝わらないから」「自分だけがんばってもムダ」などと思ってしまうことで、自ら動く意欲をなくしてしまいます。
やがては、会社や組織自体の活気はなくなり、営業成績や利益にもよい結果は出せません。
コミュニケーションギャップの事例
ここからは、コミュニケーションギャップの例をあげてみます。
社運をかけた大切な商談の日に「今日はぼくの誕生日なので、帰ります」といって、若手の社員が帰ってしまった。
自分が若いころにはあり得ない話で、上司はまったく理解ができなかった。
上司がやたら「飲みに行こう!」と誘ってくるが、はっきりいって行きたくない。
毎回どう断ろうか理由を考えなければならず、それだけで消耗する。
上司は、いつもがんばってくれている部下を労いたい気持ちから誘うのだが、けっきょくはそれすら迷惑ととられてしまい、どう接すればいいのかわからない。
このようにコミュニケーションギャップは、身近なところでおこりがちです。
コミュニケーションギャップを埋める対策
ここからはコミュニケーションギャップをなくす方法を紹介します。
相手を理解し寄り添う
コミュニケーションギャップをなくすには、相手を理解し寄り添うことです。
共通言語を使い、相手に理解するよう心がけて話したり接したりすれば、ギャップは起こりにくくなるでしょう。
そのためには、どちらか一方だけが努力をするよりも、双方が寄り添うことでより効果が発揮されます。
しかし若手からは行動に移しづらいので、まずは社長や上司など、上の立場となる人から積極的にコミュニケーションギャップへ向き合うことが大切です。
報連相を徹底する
コミュニケーションギャップをなくすためには、報連相を徹底しましょう。
今さら報連相、と思われるかもしれませんが、やはり基礎基本は大切です。
報連相がおろそかになると、どんどんコミュニケーションギャップは生まれます。
今一度、徹底してできているかを確認し、もしもできていないようであれば、社内で徹底することがおすすめです。
人材が定着しないと感じたら|大野輝雄社労士事務所へお気軽にご相談ください
コミュニケーションギャップは、どんな会社でも、誰とでもおこります。
なぜなら人はそれぞれだからです。
しかしそれを放置していたのでは、会社や組織には好ましくありません。
それぞれが働きやすい環境を整えるためには、小さなことも見逃さずに改善していくことが必要です。
社員を定着させて、会社を存続させるためには、社内のコミュニケーションを高めるようにつとめましょう。
では「自分の会社では何をすればいいの?」と、お悩みなら、ぜひお気軽に大野輝雄社労士事務所へご相談ください。
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