人手不足解消へ!中小企業がAI導入で成果を出すための手順とコツ

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大野輝雄

大野輝雄社会保険労務士事務所 代表
株式会社アクションパートナーズ 代表取締役

社会保険労務士
一般社団法人 日本キャッシュフローコーチ協会 認定キャッシュフローコーチ
一般社団法人 採用定着支援協会 認定採用定着士
銀座コーチングスクール(GCS)認定プロフェッショナルコーチ

関西学院大学卒業、2007年に社会保険労務士として独立。大阪市内を中心に人事・労務についてのサポートやセミナー業務を行っている。同株式会社ならびに社労士事務所にて支援した企業は100社以上。大阪商工会議所、神戸商工会議所、堺商工会議所、高槻商工会議所等にてセミナー実績90回以上。

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人手不足解消へ!中小企業がAI導入で成果を出すための手順とコツ

「職場のデジタル化が進んでいる」と感じている人が66%に上り、さらに「AIが導入されている」と答えた人も23%いる――。エン・ジャパン様の最新調査結果を見ると、私たちの職場環境は急速に変わっていることがわかります。特に、文章作成や要約といった業務でAIが活用され始めているのは、人手不足が深刻な中小企業にとって大きなチャンスです。

中小企業の経営者の方は、「うちも早くAI導入を進めて、業務を効率化したい」とお考えかもしれません。しかし、この調査で注目すべきは、4人に1人(26%)がデジタル化に「不安を感じる」と回答している点です。社員が不安を感じたままでは、せっかく導入したAIツールは使われず、人手不足は解消しません。この記事では、社員の不安を解消し、中小企業AI導入を成功させて人手不足を解消するための、「2つの人材育成戦略」と「具体的な手順」を、分かりやすく解説します。

AI導入を成功させるには「社員の不安」解消が第一歩

社員がデジタル化に不安を感じる背景には、「自分の仕事がAIに奪われるかもしれない」という恐れや、「新しいスキルを身につけられるか」という自信のなさがあります。この不安を放置すると、せっかく導入した新しい仕組みが機能しないだけでなく、社員のモチベーションや定着率の低下にもつながります。

1. 失敗するAI導入に共通する2つの落とし穴

中小企業AI導入で失敗するケースには、共通の落とし穴があります。

  • ツール導入が目的化する:高額なAIツールを導入したものの、「何のために使うのか」が現場に浸透せず、結局使われなくなるケースです。AI導入は、人手不足を解消するという具体的な目的とセットでなければ意味がありません。
  • 社員のスキル不足を無視する:調査でも、「AIツールの活用」や「データ分析」を学びたいという声が多いように、社員はスキル不足を感じています。研修などのサポートなしにAIツールを渡しても、活用は進まないでしょう。

2. デジタル化がもたらす最大のメリットは「人手不足の解消」

社員の不安ばかりに目を向けるのではなく、デジタル化のメリットを全社で共有することが大切です。AIは、面倒な事務作業やデータ処理を代行し、社員の工数を大幅に削減してくれます。

これにより、社員はより創造的で価値の高い仕事(例:顧客への丁寧なヒアリング、新しい企画の立案など)に集中できるようになります。これが、中小企業の限られたリソース(人材)を最大限に活かし、人手不足を根本から解消する最良の道筋です。

中小企業がすぐに始めるべき「2つの人材育成戦略」

社員の不安を安心に変え、AI導入の恩恵を最大限に受けるために、高額な費用をかけずにできる2つの戦略をご紹介します。これが、中小企業が成果を出すための手順となります。

戦略1:社員の「AIスキル」を底上げする学習機会を作る

社員がAIツールを使いこなせるようになるための具体的な学習機会を、会社として提供することが重要です。これが、中小企業におけるAI導入の第一歩です。

  • 「業務直結型」の研修:文章作成やデータ要約など、すぐに仕事で使えるAIツールの使い方に特化した、短時間の研修会を設けましょう。週に1時間でも、全社員が参加できる時間を作り、定期的に実施することが成功のコツです。
  • 「社内講師」制度の活用:若手社員や、デジタルツールに詳しい社員に「社内講師」を担当してもらい、他の社員に教える機会を作りましょう。教える側も、教わる側も、双方のスキルアップと社内コミュニケーションの活性化につながります。

戦略2:「ジョブ型」で新しい役割を明確にする

AIの導入は、社員の「役割」を変えるチャンスでもあります。AIにできる仕事と、人間にしかできない仕事を明確に分け、社員の不安を解消しましょう。

  • 「人にしかできない仕事」を定義:AIが効率化する事務作業やデータ処理ではなく、「顧客との深い信頼関係の構築」「新しいアイデアの創出」といった、人間にしかできない付加価値の高い仕事を社員に任せましょう。
  • 役割に応じた評価制度の導入:社員の役割が明確になったら、その新しい役割とスキルを評価する仕組み(ジョブ型評価)を導入しましょう。たとえば、「AIツールを活用して業務時間を20%削減した」など、効率化の成果を正当に評価することが大切です。

まとめ:中小企業がAI導入で人手不足を乗り越える

この記事では、人手不足に悩む中小企業の経営者の方へ、「AI導入で成果を出すための手順コツ」として、「2つの人材育成戦略」をお伝えしました。

AI導入は、単なるツール導入ではなく、社員の不安を解消し、学習機会の提供役割の明確化を通じて、社員の生産性を高めるための仕組みづくりです。AIを「最も優秀なアシスタント」として活用することで、限られた人材で最大の成果を出すことができ、人手不足の課題を乗り越えられます。

「AI導入に伴う新しい役割の定義をどう進めればいいか?」「社員のスキルアップを促すための評価制度をどう設計すればいいか?」といった、制度設計や教育の仕組みづくりは、私たち専門家にお任せください。私たち当事務所は、貴社の状況に合わせた、デジタル化時代の人材育成と人事制度の構築をサポートしています。未来を担う社員と共に、会社の成長を実現しましょう。

参考資料

株式会社エン・ジャパン「職場のデジタル化」調査(2025年10月5日)

 

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