ワークライフバランスで定着率アップ!中小企業がすべき2つの戦略

その他
この記事を書いた人
大野輝雄

大野輝雄社会保険労務士事務所 代表
株式会社アクションパートナーズ 代表取締役

社会保険労務士
一般社団法人 日本キャッシュフローコーチ協会 認定キャッシュフローコーチ
一般社団法人 採用定着支援協会 認定採用定着士
銀座コーチングスクール(GCS)認定プロフェッショナルコーチ

関西学院大学卒業、2007年に社会保険労務士として独立。大阪市内を中心に人事・労務についてのサポートやセミナー業務を行っている。同株式会社ならびに社労士事務所にて支援した企業は100社以上。大阪商工会議所、神戸商工会議所、堺商工会議所、高槻商工会議所等にてセミナー実績90回以上。

大野輝雄をフォローする

ワークライフバランスで定着率アップ!中小企業がすべき2つの戦略

「仕事よりも余暇を重視する」人が約3分の2(67.8%)に上り、さらに「余暇の中に生きがいを求める」人が増えている――。日本生産性本部様の「レジャー白書2025」の調査結果は、多くの社員の働き方や価値観が大きく変わっていることを示しています。

この意識変化の時代に、中小企業が優秀な人材を定着させるための秘訣は、社員の「余暇重視」を前向きに捉え、ワークライフバランスを会社全体で実現することです。社員がプライベートを充実させ、心身ともに健康でいられる環境こそが、結果として仕事への意欲を高めます。この記事では、社員の意欲を会社の成長に結びつけ、定着率アップを実現するための「2つの人事戦略」を、分かりやすく解説します。

ワークライフバランスが定着率アップに直結する理由

社員が仕事よりも余暇に価値を置くようになった背景には、単なる「楽をしたい」という気持ちではなく、社会全体の変化と、自己実現への強い欲求があります。この変化を理解することが、ワークライフバランスを活かした定着の第一歩です。

1. 余暇で「生きがい」を満たす社員の意識

調査で特に注目すべきは、「仕事よりも余暇の中に生きがいを求める」人の割合が37.8%と増加している点です。これは、社員が「自分の時間を大切にする価値観」に変わってきていることを示し、中小企業はこれに対応する必要があります。

  • リフレッシュ効果:余暇で心身が満たされることで、仕事に対する集中力や意欲が高まります。しっかり休むからこそ、質の高い仕事ができるようになるのです。
  • 会社への信頼感:「会社が自分の生活を大切にしてくれている」と感じることで、社員の会社に対する信頼感が高まり、定着へと繋がります。

2. 採用市場におけるワークライフバランスの重要性

「休めること」「自分の時間を確保できること」は、特に若い世代にとって、会社を選ぶ上での重要な基準になっています。

ワークライフバランスを重視した制度を整え、それを明確に打ち出すことは、中小企業が優秀な人材を採用するための強力なアピールポイントになります。

中小企業がすぐに始めるべき「2つのモチベーション戦略」

社員のワークライフバランスの意欲を、会社の成長に結びつけ、定着率アップを実現するために、高額な費用をかけずにできる2つの具体的な戦略をご紹介します。

戦略1:「休みやすい仕組み」で安心して働ける環境を作る

社員が気兼ねなく休みを取得できることは、ワークライフバランスを実現する上で最も基本となる要素です。

  • 有給休暇の「取り方」を工夫する:全社員を対象に、毎月1回など「計画的に休む日」を推奨する日を設定しましょう。また、上司が率先して有給を取得する姿勢を見せることも大切です。
  • 業務の「見える化」と平準化:特定の社員に業務が集中していると、「休んだら迷惑がかかる」という意識が生まれてしまいます。デジタルツールなどを活用して業務の担当を明確にし、誰かが休んでもカバーできるチーム体制を構築することが重要です。

戦略2:仕事の中に「余暇的な楽しさ」を取り入れる

社員が「余暇の中に生きがいを求める」のであれば、仕事の中にも「生きがい」や「楽しさ」を感じられる要素を取り入れましょう。これにより、定着率アップが期待できます。

  • 「目標設定」に自己実現の要素を入れる:単に売上目標だけでなく、「新しいスキルを身につける」「興味のある分野の研修を受ける」など、社員自身の成長や興味に繋がる目標を仕事の中に組み込みましょう。
  • 「内発的な動機」を重視する評価:単に成果だけでなく、「チームを盛り上げた」「新しいアイデアを積極的に出した」など、社員の意欲や情熱といった内発的な動機を評価する仕組みを取り入れましょう。これにより、社員は仕事を通じて生きがいを感じやすくなります。

まとめ:ワークライフバランスで定着率を上げ、会社を強くする

この記事では、社員の「余暇重視」の意識変化から、ワークライフバランスを重視することが、中小企業定着率アップに繋がることをお伝えし、そのための「2つの人事戦略」を解説しました。

「休みやすい仕組み」の整備と、「仕事に楽しさを見いだす仕組み」の導入は、社員の意欲と生産性を高め、結果的に会社全体の成長を支えます。社員がリフレッシュして意欲的に働ける環境を整えることが、優秀な人材の定着につながるのです。

「社員が気軽に休めるための就業規則の変更は?」「社員の情熱を引き出す評価制度の設計はどうすればいいか?」といった、制度設計や法的な整備は、私たち専門家にお任せください。私たち当事務所は、貴社の状況に合わせた、社員のモチベーションと生産性を高める人事・労務戦略の構築をサポートし、ワークライフバランスを実現して定着率アップを目指します。

参考資料

公益財団法人 日本生産性本部「レジャー白書2025」(2025年10月28日公表)
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/summary2025_leisure.pdf
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/release2025_leisure.pdf

 

 

お問い合わせフォームはこちらお問い合わせフォームはこちら

06-6147-6475

タイトルとURLをコピーしました