最近、物価の上昇が続いており、経営者の皆様も従業員の給与をどうすべきかと頭を悩ませているのではないでしょうか。そのような中、注目すべきデータが公表されました。
商工中金が発表した中小企業の賃上げ動向と対策を考える上で欠かせない調査結果によると、2026年に賃上げを計画している中小企業は、全体の7割を超えていることが分かりました。
驚くべきことに、全従業員を対象に引き上げを考えている企業だけでも約6割に達しています。これは前年の調査よりも高い数字であり、多くの中小企業が厳しい経営環境の中でも、従業員への還元に踏み切ろうとしている姿勢が見て取れます。
背景にあるのは、やはり深刻な人手不足です。せっかく育てた人材が他社へ流出するのを防ぎ、新しい仲間を迎え入れるためには、賃上げを避けて通れない状況になりつつあります。そこで今回は、無理のない賃上げを進め、会社を成長させるための3つのポイントをお伝えします。
調査から読み解く!中小企業の賃上げの最新事情
今回の調査では、基本給だけでなく賞与についても前向きな姿勢が見られました。
賃上げを検討する企業が確実に増えている
2026年に給与や時給の引き上げを予定している企業は、一部の対象者を含めると72.4%にのぼります。
・全従業員の賃上げ:約6割の企業が、全社員一律、あるいは全体の底上げを計画しています。
・引き上げ率の目安:全体の平均は約3.0%となっており、昨年の実績をわずかに上回るペースです。
・賞与の増額:ボーナスを増やす予定の企業も約半数近くあり、年収ベースでの改善が進んでいます。
このように、多くの中小企業が他社に負けない労働条件を整えるために動き出しています。
無理なく賃上げを成功させるための3つの具体策
利益を削って給与を上げるだけでは、経営が苦しくなってしまいます。賃上げをコストではなく未来への投資にするための工夫が必要です。
1. 優遇税制等を最大限に活用する
国も中小企業の賃上げを強力に後押ししています。
例えば、法人税が減税される優遇税制が用意されています。これらを賢く活用すれば、会社側の負担を実質的に軽減しながら、従業員の手取りを増やすことが可能です。まずは自社がどの制度を使えるか、一度チェックしてみる価値があります。
2. 給与体系を見直し納得感を高める
ただ全員の給与を一律に上げるのではなく、社員の頑張りが正しく報われる仕組みを作りましょう。
・評価基準の明確化:何を達成すれば給与が上がるのかをはっきりさせます。
・手当の整理:時代に合わなくなった古い手当を整理し、その分を基本給に回すことも一つの手です。
・成果の共有:会社の利益が出た際に、賞与として還元する仕組みを整えると、社員の士気も上がります。
3. 生産性を向上させて原資を生み出す
賃上げの原資は、やはり利益から生まれます。
限られた人数でより多くの価値を生み出すために、ITツールの導入や業務フローの見直しを検討しましょう。事務作業を自動化したり、無駄な会議を減らしたりすることで生まれた時間を、より利益に直結する仕事に充てる。こうした稼ぐ力の強化と賃上げをセットで進めることが、持続可能な経営の鍵となります。
まとめ:賃上げをきっかけに選ばれる会社へ
商工中金が発表した中小企業の賃上げ動向と対策から分かる通り、中小企業の間でも賃上げはもはや避けられないトレンドとなっています。しかし、それは決して悲観的なことではありません。賃上げをきっかけに社内の風通しを良くし、一人ひとりの生産性を高めることができれば、会社はより強く生まれ変わることができます。
今いる大切な社員を守り、新しい人材を惹きつけるためにも、できる範囲から少しずつ準備を始めてみてはいかがでしょうか。
当事務所では、賃金規定の見直しや、賃上げに関する制度設計の申請サポートを行っています。給与を上げたいけれど、経営への影響が心配だという経営者様は、ぜひ私たちにご相談ください。貴社の財務状況や現場の実情に寄り添い、最適な給与戦略を共に考えてまいります。未来に向けた最初の一歩を、全力でバックアップいたします。
参考資料:
商工中金「中小企業の賃上げの動向に関する調査(2025年12月11日発表)」





