最近、ニュースなどでガバナンスという言葉を耳にすることはありませんか。経団連が先日、これからの企業のあり方についての提言を発表しました。ガバナンスと聞くと、なんだか大手企業だけの難しいルールのことだと思ってしまいがちですよね。
しかし、その中身を紐解いてみると、実は中小企業の経営にも非常に役立つヒントが隠されています。これまでは悪いことが起きないように見張るという守りのイメージが強かったのですが、これからは会社をより良く成長させるために自律的に動くという考え方への転換が求められています。
人手不足や時代の変化が激しい今、会社が生き残るためには、形式的なルールよりも実質的にどう動くかが重要です。今回は、中小企業の自律的な経営のあり方として、社員が自ら考え動く組織を築くためのポイントを3つのステップで分かりやすくお伝えします。
形式だけじゃない!自律的な組織が求められる理由
これまでの組織づくりは、法律を守ることや形を整えることに重点が置かれてきました。しかし、経団連の提言では、決められた枠組みに従うだけの形式の細則化ではなく、企業自らが価値を生み出す仕組みを作ることが大切だとしています。
1. 変化に強い組織になる
世の中の動きが早い現代では、上の指示を待つだけの組織では対応が遅れてしまいます。中小企業の自律的な経営のあり方を追求することで、現場の判断力が向上し、経営のスピードが上がります。不正を防ぐだけでなく、新しい挑戦に伴うリスクを正しく評価し、乗り越える力が養われるのです。
2. 社員のやる気を引き出す
守りのルールに縛られすぎると、社員は失敗を恐れて消極的になってしまいます。一方で、会社の成長を支える攻めの姿勢が浸透すれば、社員は自分の仕事が会社の価値創造に繋がっていると実感しやすくなるでしょう。
自律的な経営を実現するための3ステップ
大手企業のような複雑な仕組みを作る必要はありません。まずは以下の3つのステップから、自社のあり方を見直してみることをおすすめします。
ステップ1:会社の「目指す姿」を共有する
経営者様が何を大切にし、会社をどうしていきたいのかを、言葉にして社員に伝え続けることが大切です。ルールで縛るのではなく、共通の目的を持つことで、社員は自ずと正しい方向へ動くようになります。これが、中小企業の自律的な経営のあり方を確立するための第一歩です。日々の朝礼や面談などを通じて、会社の存在意義を繰り返し共有しましょう。
ステップ2:相談しやすい風通しの良い環境を作る
どんなに立派な制度があっても、現場の声が経営者に届かなければ意味がありません。
・心理的安全性の確保:不都合な情報ほど早く上がってくるような、安心感のある職場を目指します。
・対話の時間の確保:定期的な1on1ミーティングなどを通じて、現場の気づきを吸い上げる仕組みを作ります。
・情報の透明化:会社の状況を適宜オープンにすることで、社員が自分事として経営を捉えられるようにします。
ステップ3:多様な視点を取り入れる
経営者一人の視点だけでは、どうしても死角が生まれてしまいます。社内の若手社員の意見を積極的に聞いたり、時には外部の専門家の視点を入れたりすることで、経営の質は格段に高まります。自分たちとは違う考え方に触れることで、これまでは気づかなかった成長のチャンスを見つけることができるはずです。
まとめ:中小企業の自律的な経営のあり方で未来を切り拓く
今回の経団連の提言にある通り、これからの時代は企業自身が中心となって自らを変えていく力が問われています。形式に囚われず、自社に合った実質的な組織運営を進めていくことが、結果として社員を幸せにし、会社を長く守ることに繋がります。
中小企業の自律的な経営のあり方を模索し、社員と一緒に価値を作っていく仲間として歩み始めることが、持続的な成長への近道です。小さな変化が、会社の未来を大きく変えるきっかけになります。
当事務所では、こうした組織づくりを支えるための就業規則の整備や、風通しの良い職場にするためのコミュニケーション支援などを行っています。自律的な組織を整えたいけれど、具体的に何をすればいいか分からないとお悩みの際は、いつでも私たちにご相談ください。貴社の状況に寄り添い、共に歩んでいくパートナーとして全力でサポートいたします。
参考資料:
経団連「持続的な成長に向けたコーポレートガバナンスのあり方」(2025年1月8日)





