最近、ニュースや新聞で賃上げという言葉を目にしない日はありませんね。経営者の皆様も、周りの会社がどれくらい給料を上げる予定なのか、気になっているのではないでしょうか。
日本商工会議所が発表した最新の調査結果によると、2026年度も半数を超える企業が賃上げを予定していることが分かってきました。物価の上昇が続く中で、働く人の生活を守るための動きがさらに強まっています。
ただ、利益が十分に上がっていない中で給料を上げるのは、経営者にとって非常に勇気がいる決断です。そこで今回は、2026年度の賃上げ動向と中小企業が取るべき3つの対策として、最新の調査データから見える現状と、無理なく賃上げに取り組むためのヒントを分かりやすくお伝えします。
2026年度も賃上げが続く?最新のアンケート結果をチェック
まずは、世の中の企業が来期に向けてどのような準備をしているのか、実態を見てみましょう。
1. 5割以上の企業が「賃上げする」と回答
今回の調査では、企業の賃上げに対する姿勢がより鮮明になっています。
・賃上げ実施の予定:51.6%の企業が、2026年度も基本給を引き上げると答えました。
・3%以上の引き上げ:全体の約半数の企業が、物価の上昇に負けない3%以上の賃上げを計画しています。
・5%以上の大幅アップ:1割を超える企業が、さらに高い5%以上の引き上げを目指しています。
この数字から、多くの企業が人手不足や物価高に対応するために、賃上げを避けて通れない課題と捉えていることが分かります。
苦しいけれど上げざるを得ない?防衛的な賃上げの現実
調査結果の中で特に注目したいのが、賃上げを決めた理由です。
実は、賃上げを予定している企業のうち、約7割が「防衛的な賃上げ」であると回答しています。これは、業績が良くなったから上げるのではなく、上げなければ人が辞めてしまう、あるいは新しい採用ができないという危機感からくるものです。
業績が改善していない中での賃上げは、会社にとって大きな負担となります。しかし、大切に育てた社員を守るためには、今ある資源をどう配分するかが問われています。
2026年度の賃上げ動向と中小企業が取るべき3つの対策
体力に余裕がない中で賃上げを進めるには、ただ給料を増やすだけでなく、会社を強くする仕組み作りが欠かせません。具体的にどのような対策が必要か、3つのポイントにまとめました。
1. 適正な価格転嫁で「原資」を生み出す
賃上げの資金を確保するために、まず取り組みたいのが商品やサービスの価格見直しです。
原材料や光熱費、そして人件費が上がっている今こそ、取引先に対して誠実に価格交渉を行う必要があります。自社の価値を正しく評価してもらい、適正な利益を確保することが賃上げへの第一歩になります。どこも上げているからという社会全体の空気を味方につけて、勇気を持って交渉を進めてみましょう。
2. ITツールや工夫で「仕事の無駄」を省く
給料を上げる分、一人ひとりが生み出す価値を少しずつ高めていく工夫も大切です。
手書きの書類や何度も入力する手間を、簡単なITツールで解決することから始めましょう。また、その会議は本当に必要か、短縮できないかを定期的に見直すことも効果的です。ほんの少しの時間の余裕を作ることで、残業代を抑えつつ、社員の満足度を高めることができます。
3. 納得感のある評価制度で「定着」を促す
給料を上げたとしても、その評価が不透明だと社員の不満は解消されません。
何を頑張ればどれくらい給料が上がるのかを、目に見える形にすることが重要です。また、結果だけでなく、プロセスをねぎらう定期的な面談の時間を持つことで信頼関係が深まります。この会社は自分を正当に見てくれているという安心感こそが、金額以上の引き留め効果を発揮します。
まとめ:賃上げ倒産を防ぐために今すぐ準備を
2026年度の賃上げ動向と中小企業が取るべき3つの対策でお伝えした通り、これからはこれまで以上に高い水準での賃上げが求められそうです。業績が厳しい中での決断は大変ですが、給料を据え置くことで優秀な社員が他社へ流出してしまうリスクは、さらに大きな損失となります。
まずは自社の数字をしっかり見つめ直し、業務の進め方や評価の仕組みを整えることから始めてみませんか。
当事務所では、経営状況に合わせた無理のない賃金テーブルの作成や、社員の納得感を高める評価制度の導入を専門的にサポートしています。今の給与体系が時代に合っているか不安な経営者様や、少ない人数で効率よく利益を出したいとお考えの方は、ぜひ私たちにご相談ください。貴社の現状に寄り添い、共に未来を切り拓くパートナーとして、全力でお手伝いいたします。
参考資料:日本商工会議所「商工会議所LOBO(早期景気観測)2025年12月調査結果」(発表日:2025年12月26日)





