新卒採用の充足率が過去最低!中小企業が取り組むべき2つの採用戦略

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大野輝雄

大野輝雄社会保険労務士事務所 代表
株式会社アクションパートナーズ 代表取締役

社会保険労務士
一般社団法人 日本キャッシュフローコーチ協会 認定キャッシュフローコーチ
一般社団法人 採用定着支援協会 認定採用定着士
銀座コーチングスクール(GCS)認定プロフェッショナルコーチ

関西学院大学卒業、2007年に社会保険労務士として独立。大阪市内を中心に人事・労務についてのサポートやセミナー業務を行っている。同株式会社ならびに社労士事務所にて支援した企業は100社以上。大阪商工会議所、神戸商工会議所、堺商工会議所、高槻商工会議所等にてセミナー実績90回以上。

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新卒採用の充足率が過去最低!中小企業が取り組むべき2つの採用戦略

「2026年卒の採用充足率が過去最低の69.7%になった」というニュースは、中小企業の経営者の方にとって、非常に重い知らせだったのではないでしょうか。人手不足が続く中で、新卒採用の意欲は高いものの、採用予定数を満たせない企業が増えているという厳しい現実を示しています。

この状況は、新卒採用において「待っているだけでは人が来ない」ということを意味します。大企業との競争が激化する中で、中小企業が勝ち残るためには、戦略を根本的に見直し、採用力強化する必要があります。この記事では、採用難の時代中小企業が優秀な新卒社員を確保し、長く会社に定着してもらうための「2つの具体的な採用戦略」を、分かりやすく解説します。

なぜ中小企業の採用力強化が必要なのか

中小企業新卒採用が年々難しくなっている背景には、求職者数の減少だけでなく、学生の企業選びの価値観の変化があります。この変化を理解し、自社の採用力強化することが急務です。

1. 学生の価値観の変化と採用難

調査結果では、多くの企業が採用計画を「今年度並み」または「減らす」傾向にありますが、これは採用意欲が低下したというよりも、「どうせ予定通り採用できない」という採用難の現実を反映しています。

  • 選考スケジュールの長期化:学生一人あたりの内定獲得数が増え、企業側の選考スケジュールが長期化しています。中小企業は、この長期化する選考の中で、学生を惹きつけ続ける工夫が必要です。
  • 「働きやすさ」を重視する傾向:学生は給与や知名度だけでなく、「働きやすさ」や「成長できる環境」、「仕事のやりがい」といった、内面的な価値を重視して企業を選んでいます。

2. 中小企業が抱える採用力強化の課題

特に中小企業は、新卒採用において以下の3つの課題を抱えがちです。

  • 知名度の低さ:学生が最初から選択肢に入れないケースが多い
  • 選考基準の不明確さ:選考プロセスが属人的で、学生に魅力が伝わりにくく、採用力が弱い
  • 入社後のギャップ:入社前に期待したことと、入社後の現実が違い、早期離職につながる

中小企業が優秀な人材を確保する「2つの人事戦略」

中小企業が優秀な新卒社員を確保し、彼らの能力を最大限に引き出すために、すぐに実行すべき採用力強化のための「2つの具体的な戦略」をご紹介します。

戦略1:学生に「魅力」が伝わる採用基準の見える化

大企業にはない中小企業の魅力を明確に伝え、学生に「ここで働きたい」と感じてもらうことが重要です。これが、中小企業採用力強化の核となります。

  • 「採用ターゲット」の明確化:会社にとって本当に必要な人物像を明確にし、「どんなスキルや価値観を持つ学生を求めているか」を伝えるメッセージを絞り込みましょう。これにより、中小企業の持つ魅力が刺さりやすい学生に集中してアプローチできます。
  • 「入社後の働き方」を具体的に伝える:OJTや研修制度、評価基準、有給休暇の取得実績など、入社後の具体的な働き方成長できる道筋を隠さずに正直に伝えましょう。これにより、入社前の期待値を正しく設定し、入社後のギャップを防ぎ、定着率の向上に繋がります。

戦略2:早期離職を防ぐ「受け入れ体制」の整備

せっかく採用した新卒社員を辞めさせないために、入社後の「受け入れ体制」をしっかりと整えることが、中小企業採用力強化定着率を上げる鍵です。

  • OJT(実務を通じた教育)制度の明確化:誰が、いつ、何を教えるのか、そしてその後の評価をどう行うのかといったOJTの計画を、担当社員任せにせず、会社全体で明確にしましょう。新卒社員の不安を取り除き、スムーズに業務に慣れてもらうことができます。
  • 「メンター制度」の導入:年齢の近い先輩社員を新卒社員のメンター(相談役)として配置しましょう。業務の質問だけでなく、ちょっとした不安や悩みを相談できる場を作ることで、孤立を防ぎ、早期離職の最大の原因である人間関係の悩みを解消できます。

まとめ:中小企業の採用力強化は「準備」にかかっている

この記事では、新卒採用の充足率が過去最低になったという状況を受け、中小企業の経営者の方へ、採用難の時代を勝ち抜くための採用力強化に繋がる「2つの具体的な戦略」をお伝えしました。

採用ターゲットの明確化入社後の受け入れ体制の整備は、大企業のような莫大なコストをかけずに、中小企業でもすぐに実行できる採用力強化定着率向上のための必須の対策です。新卒採用の成功は、どれだけ「事前に準備」をして、学生に向き合うかにかかっています。

「採用ターゲットを明確にするためのヒアリングは?」「新卒社員の定着を確実に高めるためのOJT制度やメンター制度の具体的な設計は?」といった、制度設計や法的な整備は、私たち専門家にお任せください。私たち当事務所は、貴社の事業内容に合わせた、採用難の時代に勝ち抜くための人事・労務戦略の構築をサポートし、中小企業採用力強化を徹底的に支援いたします。

参考資料

株式会社マイナビ「2026年卒 企業新卒採用予定調査」(2025年11月7日発表)

 

 

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