55歳~79歳の労働力人口が1,000万人突破!シニア層の戦力化が生命線に

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大野輝雄

大野輝雄社会保険労務士事務所 代表
株式会社アクションパートナーズ 代表取締役

社会保険労務士
一般社団法人 日本キャッシュフローコーチ協会 認定キャッシュフローコーチ
一般社団法人 採用定着支援協会 認定採用定着士
銀座コーチングスクール(GCS)認定プロフェッショナルコーチ

関西学院大学卒業、2007年に社会保険労務士として独立。大阪市内を中心に人事・労務についてのサポートやセミナー業務を行っている。同株式会社ならびに社労士事務所にて支援した企業は100社以上。大阪商工会議所、神戸商工会議所、堺商工会議所、高槻商工会議所等にてセミナー実績90回以上。

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少子高齢化が進むアジア各国。その中で、隣国・韓国の統計データが、日本企業にとって示唆に富む現実を突きつけました。

韓国の統計庁が発表した調査によると、55歳から79歳の労働力人口が、史上初めて1,000万人を突破しました。

これは、単なる隣国のニュースではありません。過去最低の出生率に直面し、若年層の採用が困難を極める日本においても、シニア層の戦力化が企業の持続可能性を左右する最重要課題であることを示しています。

「シニア=高給取り」ではない。彼らが持つ3つの価値

多くの企業が直面する「人手不足」は、もはや一時的な問題ではなく、構造的な課題です。

この課題を克服するため、経営者はシニア層を「高い給料が必要」とか「年長で扱いにくい」とかいう見方ではなく、「会社の未来を支える人財」として再定義する必要があります。

シニア人材が会社にもたらす価値は計り知れません。

  1. 豊富な知識と経験: 長年のキャリアで培ってきた専門知識や、複雑な問題解決能力は、若手の育成や技術継承において不可欠です。
  2. 高い定着率と安定性: 若年層に比べて転職の意向が低く、会社への愛着や忠誠心が高い傾向にあります。
  3. 育成コストの低さ: 業務に関する基本的なスキルやビジネスマナーは既に持っているため、採用後の教育コストを抑えられます。

シニア層の力を最大限に引き出すことは、会社の生産性を高め、激しい採用競争から一歩抜け出すための最速かつ確実な手段なのです。

シニア人材を「戦力」にするための人事戦略

シニア層を単なる労働力の穴埋めではなく、真の戦力として活用するには、従来の雇用制度からの脱却が必要です。特に、以下の3つの人事戦略が重要となります。

1.「フルタイムを前提」からの脱却と柔軟な働き方の導入

シニア層の中には、体力や健康上の理由から、フルタイムでの勤務に抵抗を感じる人がいます。

  • 短時間勤務、週3日勤務などの多様な選択肢を設ける。
  • その人の専門性を活かした事業プラン単位での契約を導入する。

これら柔軟な働き方を提供することで、優秀なシニア人材の囲い込みが可能になります。

2. モチベーションを維持する賃金・評価制度の再構築

高齢者雇用安定法により、60歳以降の再雇用制度が一般的ですが、その時に「給与が大幅に下がる」のでは、シニア社員のモチベーションが低下します(以前のモチベーション調査の結果とも共通します)。

  • 貢献度に応じて公平に評価する仕組みを作り、役割に関わらずモチベーションが保てるような賃金体系にする。
  • 健康や能力の維持・向上を評価するシステムにして、長く活躍してもらう動機づけを提供する。

3. 健康管理と相談体制の整備

長く安心して働いてもらうためには、企業側の健康サポートが欠かせません。定期的な健康診断や、メンタルヘルスも含めた相談窓口の整備は、シニア層だけでなく、全社員の定着率向上につながります。

「人生100年時代」を企業の力に変える

韓国の事例が示すように、シニア層が経済活動の主役の一角を担う時代はすでに始まっています。この流れに乗り遅れることは、企業の成長機会を自ら手放すことに等しいと言えるでしょう。

私たちは人事労務のプロとして、高齢者雇用安定法に対応した雇用延長制度の設計から、シニア社員のモチベーションを維持する賃金表の構築、そして健康管理体制の整備まで、貴社をトータルでサポートします。

あなたの会社が持つ「経験と知識」という貴重な人財を、未来を切り拓く力に変えませんか?

参考:統計庁「経済活動人口調査高齢付加調査」結果について(JILPT調査部)

 

 

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